2010年4月、サード・アルバム「SPRING MIST」をリリースした後、

僕の頭の中にはさまざまなアイデアが浮かんでいた。

次に書く曲たちのアイデアに加えて、この本の出版というのもその一つであった。

中学生の終わり辺りから文学少年的な部分があった僕は、

ママレイド ラグが2002年にデビューしてのち、さまざまな文章を書く機会があるたび、

それらを音楽制作の息抜きとして楽しんできた。

音楽における歌詞というのは、いかに少ない文字数の中に情報を含ませるか、

または、行間を読ませるか、という作業であると言えるが、

それに対比して、散文を書く作業は真逆の構造を持っている。

ある程度、文字数を気にせず膨らませる事ができるし、

音がない分、文章のみによって、流れをつくったり、または止めたり、といったようなことも可能だ。

そういったことから僕は、ふたつの「歌詩」と「散文」を同時に扱うことによって、

自分自身の精神状態を中庸にコントロールし、また、ある種の癒しを得てきたように思う。

この「MAMALAID RAG BOOK」の出版によって、

初めて、「ママレイド ラグ」の全体像を伝える事の大きな手助けになるのではないかと感じている。

染みやシワなどを気にせず、食事やコーヒーとともに

日常に於いて雑誌をめくるように楽しんで頂ければ、作者はとてもうれしい。


                               2010年11月 田中拡邦