みなさん、今日和・今晩和。


レコード、「春雨道中」が発売されて、あと一週間ほどで早くも1ヶ月となりました。

お手に取っていただけましたでしょうか??


いろいろとニューアルバムの制作で忙しく(いったい全体、今年中に間に合うのかしらん?)、

恥ずかしながら、私も先日ようやっと音を聴いた次第であります。


それはそうと、発売前後くらいに、「レコードプレイヤ、何を買ったらいいか、オススメがあれば教えてください」との

                                      、、、、

質問をいくつか受けていたので、近日、お話ししますなんて言っておきながら、この体たらく、

まったく弁解の余地もございません。


いまさら、プレイヤについて少々語ったところで、何かお役に立てるかどうか皆目見当もつきませんし、

「なにぃ、もうとっくの昔に買っちゃったよ」とか、「おかげでまだ買えなくて聴けてないんだよぉっ、もう!」

                                 、、、、  

とか今にも聞こえてきそうですが、一応のお約束ということで、文章をしたためたいと思います。


①まず、レコード・プレイヤを導入するにあたって必要な知識があるとすれば、

CDプレイヤや、カセットなどの他の音源と違って、接続するアンプとの間に「フォノ・イコライザー・アンプ」

(以下、フォノEQ)が必要であるということです。詳しくは調べていただくとして、簡単に言えば、

音楽をそのままレコードに溝を刻むと、低音が大きく、高音が小さい幅で刻まれるので、

溝を平均にして盤面を有効に利用するため、低音を小さく高音を大きくしてレコード盤に溝が刻まれています。

ですから、再生する際にはこれを元に戻す(低音を大きく、高音を小さく)必要があるわけです。

その役割を担うのが「フォノEQ」です。

これについては、昔はアンプ側にフォノ入力という専用の端子がついていたので(アンプ側に内蔵されていたわけです)、

プレイヤにはない機能だったのですが、最近のものは、フォノEQ非搭載のアンプ・ラジカセ等にも接続できるよう、

プレイヤ側に内蔵されている機種もあります。もちろん、「フォノEQ」単体でも販売されていますので、

アンプ内蔵のものを使うか、プレイヤ内蔵のものを使うか、はたまた両方にない場合は単体のものを使うか、

3種類の選択が求められます。                 、

もし、初めてレコードを聴いてみて、なんだかシャカシャカした、か細い変な音だなと感じたら、

いずれかの場所で「フォノEQ」を通っているか、確認する必要があります。


②続いては、アームについてです。アームの種類は大きく分けて、「ユニバーサルアーム」「固定アーム」の二種類に

分別されます。前者は交換針が付いているカートリッジを交換できますが、後者では一体化されており、

アームごとの交換となります。

様々なモデルのカートリッジの交換によって音は大きく変わりますから、いろいろと交換して楽しみたいのであれば、

「ユニバーサルアーム」の方が便利だと言えるでしょう。


③それから、回転方式についても記述する必要があります。大きく分ければモーターとターンテーブルをベルトでつないで回転させる、「ベルトドライブ」と、モーターで直接テーブルを回す「ダイレクトドライブ」があります。

近年は後者の方が多いようですが、現代でも「ベルトドライブ」の製品はあるようです。

ベルトは緩んで劣化したり、精密な意味でいえば回転ムラがどうしても発生しますので、

ピッチに敏感な方は、「ダイレクトドライブ」を選ぶといいでしょう。


④その他にも、購入してから、「針圧の調整」、「アンチスケーティングの調整」、「オーバーハングの調整」などいろいろと調整する事項があり、なかなか面倒といえば面倒ですが、それもまた一興、アナログレコードの再生の醍醐味と言えるのかもしれませんね。


⑤また、比較的廉価に入手できるプレイヤにはおそらくMMカートリッジかついていると思われますが、

さらに高音質・違った音質を求めたくなった場合は、MCカートリッジに変更するという手もあります。

この場合、クリアでより精緻な音質が手に入りますが、MC昇圧トランス、またはMCヘッドアンプという

微弱な電圧を大きくする機器が必要となります。

このあたりからは趣味の世界、オーディオ好きの入り口、と言っていいでしょう。


いろいろと、ややこしい文章を長々と連ねましたが、

以上の「③回転方式」までをチェックして、ご自分にあったプレイヤを選考していただき、あとは見た目と予算とで

お決めになればいいかと思います(あたりまえですが、製品のデザインも非常に大事ですね)。

④⑤は後々考えればいいことでしょうから。


さて、それで、私がレコード「春雨道中」を聴いた感想は、と言うと、同じ音量でPCオーディオと比べてみましたが

空気感が全然違うということです。もともと「春雨道中」はふんわりと漂うようなエアー感がある音源ですが、

さらに空気感が増して感じられるのは、レコードの再生原理によるものが大きいと考えます。

デジタルが信号をアナログに変換して増幅しているのに対し、

                   、、、、、、、、、、

レコードは針が溝をなぞることによって物理的に振動したものを電気信号に変換し、増幅しているわけです。

まさに、もう一度目の前で「演奏している」ということが言えるでしょう。


まだお聴きになっていらしゃらない方は、ぜひ、あなたの耳で、皮膚で、その音楽を体感してみてください。


それでは、また!

「 レコードプレイヤについてのアレコレ」

2022/06/10